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七十六番札所 金倉寺(こんぞうじ) 本堂の立ち姿に、思わず背筋がのびる #76 Konzoji

四国遍路をまわっていると、昔の伽藍を想像して、叙情的な景色が広がって来るときがある。
金倉寺(こんぞうじ) は唐の青龍寺にならって伽藍が道営されたとのことで、夢見心地でじっくりと境内をまわると高級ホテルに入ったような感じで、思わず背がのびるような感じで、言葉までちょいと洒落たモノになりそうだ。(笑)このお寺は胸を張っているようだ。

お大師様が、唐の西安に行ったときに西明寺に五カ月いて、恵果和尚に会おうとしなかったそうだ。恵果和尚は中国における密教の正式伝道者で、空海の尊敬し師事した唯一無二の人で、果たしてその五ヶ月は「われわれの想像の楽しみを与えてくれる」と、司馬先生は本に書いていた。

密教では師匠から灌頂という儀式を受けなければ正式に認めらた事にはならない、また、恵果和尚は

義明をのぞいては恵果は両部をふたつながら伝えたわけではない。両部とはいうまでもなく金剛頂経系と大日経系のことであり、言いかえれば金剛界の世界観と胎蔵界の世界観のことで、恵果がその両部を一身におさめた唯一の僧であることは繰りかえしのべた。恵果はその高弟たちに伝法するにあたってそのいずれか一つを授けたのみで、二つながらを授けたのは法臘(得度してからの年齢)主座の門弟である義明だけであった。ところがこの義明は空海が長安にあるときに死の床についていたか、それともこの前後に亡くなったかで、要するに、この時期の恵果のさびしさは、自分のすべてをゆずるに足る門人を持っていないということであった。空海は、そういう機に長安にきた。 「空海の風景」 司馬遼太郎

そして、空海上人は恵果和尚より伝法灌頂をうけ、すべてを恵果和尚からすべてを譲り受け、遣唐使船で船で日本(福岡)にかえったそうだ。

恵果がさずけたもののうち、曼陀羅は五種類二十三幅ある。それに密教各祖の絵像が五種類十五幅を加え、これらをあらたに絵師に描かしめねばならない。恵果の豪華なところは、これらを描かせるのに、長安における第一等のひとびとを用いたことであった。帝室供奉の画工である李真など十余人が青竜寺に招かれて 管をふるった。 密具には、金属製品が多い。  五鈷、三鈷、独鈷、鈴、輪宝、羯磨、金剛橛、金剛盤、灑水器といったようなものであり、これらの密具や法具は空海が入唐してはじめて見たものばかりであった。恵果はこれらの調製についても、宮廷の技芸員とでもいうべき鋳博士の楊忠信などにたのんでつくらせた。ほかに、あらたに密教正嫡の阿闍梨の位についた空海が、正嫡の阿闍梨として持たねばならぬ付属物がある。日本の天皇家の例でいえば皇位継承のしるしである三種の神器のようなものであるといっていい。八種あった。この八種はインド僧金剛智が南インドから唐へ渡ってくるとき請来したもので、それが相続の印可として金剛智から不空に伝えられ、不空から恵果に伝えられ、恵果から空海に伝えられた。恵果から空海に伝えられる場合、海を渡ってしまうため、唐にはもはや密教正嫡を証明するこの八種のしるしは存在しなくなる。このことを思うと、恵果が空海に相続させたという事柄そのものが尋常でないことがあらためて知らしめられる。玉堂寺の珍賀らが不穏の空気をみせたのも当然であろう。ついでながら、その八種の品目をあげておく。仏舎利八十粒、刻白檀仏菩薩金剛像等一龕、白緤大曼荼羅尊四百四十七尊、白緤金剛界三摩耶曼荼羅百二十尊、五宝三摩耶金剛一口、金剛鉢子一具二口、牙床子一口、白螺貝一口、 さらに恵果はかれ自身が持っていた五点の品々を、自分の形代として、あるいは伝法の副次的なしるしとして、空海にあたえた 「空海の風景」 司馬遼太郎

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金倉寺は、弘法大師の甥で天台宗寺門派の開祖「智証大師」が誕生した地。縁起によると、弘法大師が生まれた宝亀5年に智証大師の祖父・和気道善(わけどうぜん)が建立し、道善は「自在王堂」と名づけ、仁寿元年(851)11月に官寺となった際に開基の名をとって「道善寺」となりました。その後、唐から帰朝した智証大師が唐の青龍寺にならって伽藍を造営、薬師如来を刻んで本尊に。「金倉寺」になったのは928年、醍醐天皇の勅命で、地名の金倉郷にちなんだ寺名となったようです。

「智証大師」は、子供の頃「日童丸」と呼ばれ、たいそう賢いと評判でした。智証大師が2歳の時には、一人で遊んでいる幼い体からなんとも言えない後光が射しているのを付近の人々が見たといわれています。そして、「きっと仏様が生まれ変わったに違いない。将来は必ず立派なお方になられるだろう。」と、この地に立派な子が生まれたと喜び合ったそうです。また、5歳の時には目の前に天女が現れ、「貴方は三光天の一人、明星天子であり、虚空蔵菩薩の仮の姿。貴方が将来仏道に入るなら私がずっとお守りしましょう。」と告げられたという伝説も。この天女こそが、よその子供を食べた罪でお釈迦様に末子をとられ、子供を失った母の辛さを教えられた後に仏になったとされる「訶利帝母(かりていも)」(別名「鬼子母神(きしもじん)」)でした。こうして訶利帝母に守られて育った智証大師は、修行を重ね、仏法を広めることに精進できたといわれています。

第76番札所 鶏足山 宝幢院 金倉寺
けいそくざん ほうどういん こんぞうじ

宗 派: 天台寺門宗
本 尊: 薬師如来
開 基: 和気道善
創 建: 宝亀5年(774)
真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
住 所: 〒765-0031
香川県善通寺市金蔵寺町1160
電 話: 0877-62-0845
駐車場: 普通車80台・200円
大型車30台・500円
マイクロバス40台・300円
宿 坊: なし
URL: http://www.kagawa-konzouji.or.jp/

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渡部雅泰ライター
こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)
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