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12.102015
【お遍路日記】第3回目と讃岐路『12月は結願に向かうお遍路さんが多いそうです。』

12月になり助挌の「あおさ汁」が恋しくなり、街中での仕事終わりに行こうか行くまいか、年末にやっぱりあれ飲みたいななどと、そんなどうでもいいような儀式をやらなきゃいいものを、一人じゃなんかしっくりしないと、渡部は打ち合わせしていたRさんに30分拝借し一緒に、炉端の前に座るのであった。 最初の一口の磯の香りに、昭和の海をおもいだしつつ、一気に喉に流し込む。そんな自分の満足した顔は、どんな顔をしているのだろうなどと、今考えている。
いよいよスターウォーズが公開される、最初どこで誰と見たのか?どんなストーリーだったのか?高校の頃見たその記憶は透過されている。それでも主人公がアナキンスカイウォーカーだったのは覚えているわけで、それは「アナキンって穴と金玉で変な名前」と、友達がなんども言っていたというヘンテコな理由によるものだ。(笑)とりあえずえお隣のGEO妄想発電所で、エピソード4・5・6を借りて、旧作1枚70円の電気代を支払ったのち、深夜連続発電で見届けてお遍路に向かうのであった。
お遍路も3回目となると、あの初回のような初々しさが消えていくようで、もうマンネリが渡部を襲いはじめている、これは加齢というフェードアウト装置が働いているのか、とおもいつつ、どこかで減速リミッターを外さなければと思っていても、身体が堅くて背中の解除ボタンにありつけない。(笑)
毎回行き先が変わるパズルのようなお遍路(途中参加)を進んでいる、今回は讃岐路で84屋島寺、85八栗寺、86志度寺、87長尾寺、88大窪寺へ向かう。全16回のお遍路を1月から参加している方は今日が結願となるという、思い入れが深いお遍路最終回のクライマックス。バスでは結願にあたり、感謝のご接待でせんべいや、あまたい飴、チョコ、海産物の乾物、などが次々と回転寿司のように廻ってきて、餌をあたえられる犬のように与えられるだけ食べている。時には、小さな袋にお菓子とアクリルたわしのようなものをセットしておられる方もあり、思わず合掌せずにはいられない。
84屋島寺には赤い鳥居が連続し、その両脇に四国狸の夫婦が鎮座し、左が狸の大将の男狸、右が優しい目をし子供にお乳をあたえている女狸、この組み立ての意味は夫婦円満であろうと理解できるが、とはあれ参拝者の興味は女狸の右おっぱいにあるようで、皆が触りまくりテカテカしている。「おっぱいは永遠に不滅です」、つづいて85八栗寺へ、レトロなケーブルカーで山頂へ向かう。昭和39年の日立のプレートがものづくりのプライドとして刻まれている。今日は一眼レフを持参したのだけど、近年まれにみるいいショットが撮影できて、写真の素晴らしさを感ずるに至った訳ですが、公開はやめときます。(笑)秘仏として保存。ここで奇特な方がいて、第46作 寅次郎の縁談で食べたお餅を事前に頼んでくださっており、1個いただいたのですが・・・なりませぬ、なりませぬといいながら、罪悪感を解き放たれ、お遍路は楽しく続くのです。
こうして四国八十八箇所を巡りながら、やはりお大師様のことを考えます。そこにあるのは、きわめて異端な遺伝子。大学をやめて一人山を巡りバガボンド(放浪者)したのは、仏教の修行をしながら、山岳修行では薬草や、山や土の性質を研究したからではないか、海に出ての修行では、さらに海洋学、天文学を身につけた。水脈を見つける、温泉を見つける、雨乞いで雨を降らすなどというのは野生動物のように修行していれば簡単だったでしょう。そんなマージナルに位置するポジションをとるということで、満ちるものがあったとすると、それをいかに伝えるか?同じ事はとうていできません、だから護摩を焚き、真言をとなえる法力みたいな舞台もつくり、言葉悪いですがシャーマニズムみたいな極限状態でトランスを生み出し、考える力を増幅させると考えたのか?素人が考えるにも及びませんが、とても興味があります。
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結願(けちがん)の地、88大窪寺へ。すれ違う人に「ご苦労様です」と心で唱えても、声にはできない。小生のような、不作法なものが声をかけるなんて、不届き者と空からおしかりを受けそうだ。結願を達成された人の会話に我が耳は、人工衛星をおうようにアンテナを向ける。「とても幸せな時間だった、まだまだ歩けるよ」そんな結願の会話になぜかシンクロしてしまう、バスの中で結願証(2,000円)を広げている姿をのぞき込みながら、シャッターを切ったらどれもピン暈けしていた(笑)、みてはいけないのだと自覚した。
人生の区切りを打ち込むような88番札所に、お遍路3回目(あと13回残)で到着してしまい、この88大窪寺をどのように消化していいかわからない自分をおさめつつ、山門でしっかりとお礼をした。
「異端力」という本を読んでいたら、面白い記事にであう。スティージョブズは13歳の時に、ヒューレット・パッカードの社長に周波数のカウンター用の部品がほしいと電話したという。好奇心旺盛な少年を社長はアルバイトをさせたそうな・・。はたまた、ガンジーは一種の健康法として、毎晩全裸の女性を姪二人に挟まれて寝ていたという。そんななか、バスツアーで楽してお遍路を廻っている自分は何をやっとるのか?異端力とは・・・。
スターウオーズのように、エンディングを迎えてから、新しいエピソードがはじまるボクの遍路旅は、まだまだこれから。 大窪寺で「最後を見ておけ」というのも何かの暗示なのでしょうね。人もラストシーンを先に見てから、生まれたらどんなに違った人生を生きることでしょう?
もっともっと自分をマージナルな位置にポジションしなければと気合い入れ直して、今週も頑張ります。
師走ですね、お体をご自愛くださいませ。
※ただいま第3回の記事を書いています、年末までにじっくり書きます。
11月14日(土)第2回お遍路バスツアー:33雪蹊寺→32金剛頂寺→31津照寺→30善楽寺→29国分寺→28大日寺
33 高福山 雪蹊寺(こうふくざん せっけいじ)
32 八葉山 求聞持院 禅師峰寺(はちようざん ぐもんじいん ぜんじぶじ)
31 五台山 金色院 竹林寺(ごだいざん こんじきいん ちくりんじ)
30 百々山 東明院 善楽寺(どどざん とうみょういん ぜんらくじ)
29 摩尼山 宝蔵院 国分寺(まにざん ほうぞういん こくぶんじ)
28 法界山 高照院 大日寺(ほうかいざん こうしょういん だいにちじ)
10月31日(土)第1回お遍路バスツアー:27神峯寺→26金剛頂寺→25津照寺→24最御崎寺(御厨人窟)
27 竹林山 地蔵院 神峯寺(ちくりんざん じぞういん こうのみねじ)
26 龍頭山 光明院 金剛頂寺(りゅうずざん こうみょういん こんごうちょうじ)
25 宝珠山 真言院 津
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- ライター
- こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)
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