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八十八番札所 大窪寺(おおくぼじ)結願のお寺  #88 Okuboji

八十八番札所 大窪寺(おおくぼじ)結願のお寺

寺伝によれば、奈良時代の養老年間(717年 – 724年)に行基が開基し、弘仁年間 (810 – 823) に空海(弘法大師)が奥の院の岩窟で虚空蔵求聞持法を修し、薬師如来を刻んで安置したとされている。この時に空海が納めたとされる錫杖は、空海が唐から持ち帰った三国伝来のものと伝え、本尊とともに祀られている。

今回は讃岐路で84屋島寺、85八栗寺、86志度寺、87長尾寺、88大窪寺へ向かう。全16回のお遍路を1月から参加している方は今日が結願となるという、思い入れが深いお遍路最終回のクライマックス。バスでは結願にあたり、感謝のご接待でせんべいや、あまたい飴、チョコ、海産物の乾物、などが次々と回転寿司のように廻ってきて、餌をあたえられる犬のように与えられるだけ食べている。(笑)時には、小さな袋にお菓子とアクリルたわしのようなものをセットしておられる方もあり、思わず合掌せずにはいられない。

このお寺について、エレファントカシマシの「悲しみの果て」の歌詞が、僕の頭に舞い降りた、
悲しみの果てに何があるかなんて
俺は知らない見たこともない
ただ あなたの顔が浮かんで消えるだろう

涙のあとには笑いがあるはずさ
誰かが言ってた本当なんだろう
いつもの俺を笑っちまうんだろう

ずしんと、この曲が心の中にしみいる。
人の人生は、100%死への1本道だ、それがどうしたと、誰もが歯を食いしばる。そして、この結願の地にたどり着く、
そこから見える景色は、説明なんていらない。まだまだ理解できない、納得がいかない自分は、また足下にスタートラインをひきお遍路を廻るのだ、誰に認められようとするわけでもない、それを自分でくだらねえなどと、薄笑いを浮かべて納得する。そして、自分は自分を少しだけ、ボリュームがアップされた自分を褒めながら、自分を上書き保存するのだ。これでいいのだと。

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結願(けちがん)の地、88大窪寺。すれ違う人に「ご苦労様です」と心で唱えても、声にはできない。小生のような、不作法なものが声をかけるなんて、不届き者と空からおしかりを受けそうだ。結願を達成された人の会話に我が耳は、人工衛星をおうようにアンテナを向ける。「とても幸せな時間だった、まだまだ歩けるよ」そんな結願の会話になぜかシンクロしてしまう、バスの中で結願証(2,000円)を広げている姿をのぞき込みながら、シャッターを切ったらどれもピン暈けしていた(笑)、みてはいけないのだと自覚した。

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こうして四国八十八箇所を巡りながら、やはりお大師様のことを考えます。そこにあるのは、きわめて異端な遺伝子。大学をやめて一人山を巡りバガボンド(放浪者)したのは、仏教の修行をしながら、山岳修行では薬草や、山や土の性質を研究したからではないか、海に出ての修行では、さらに海洋学、天文学を身につけた。水脈を見つける、温泉を見つける、雨乞いで雨を降らすなどというのは野生動物のように修行していれば簡単だったでしょうか。そんなマージナルに位置するポジションをとるということで、満ちるものがあったとすると、それをいかに伝えるか?同じ事はとうていできません、だから護摩を焚き、真言をとなえる法力みたいな舞台もつくり、言葉悪いですがシャーマニズムみたいな極限状態でトランスを生み出し、考える力を増幅させると考えたのか?素人が考えるにも及びませんが、とても興味があります。

2015-12-05 15.57.08

人生の区切りを打ち込むような88番札所、この88大窪寺をどのように消化していいかわからない自分をおさめつつ、山門でしっかりとお礼をした。

「すぐに役立つものは、すぐに役に立たなくなる」

人生で役立つものは、とんでもなく非効率という道を歩んでなければならないような気がしている。 『オリジナルとはとてつもない非効率の中にある』、そして何か大切な人や、モノを失って 七転八倒して悪戦苦闘し初めてわかることが多すぎる。

旅というのは、内蔵と内蔵がふれあうような、感動増幅装置を搭載している。停滞感、閉塞感、理不尽などを抱えていることが装置稼働オンのきっかけになるかも知れない。そのボタンは無意識のなかにあるような気がしている。人生は、無駄な金と、無駄な時間でできているんだ。そのくだらないモノだけが、無意識に振り子の幅をでかくするようだ。四国八十八カ所、バスツアーで16回、長い旅だ。

毎日、出会うのは他人だ。関わりたくない他人に関わらないと、人間は変われない。他人は10人中9人が敵だと思う。他人に理不尽の饅頭を食わされ、心に土足で入りこまれ、他人にボコボコにされる。それでも、そんなときにだね、一人が味方をしてくれたらどうだろう、僕は生きていけれるのだ。その一人と出会える、出会えないかがどんだけ大事か・・・。100人が敵をやり過ごせばきっと味方に会える、そう信じて今を進むしかない。きっとその一人は、優しいだろうね。

第88番札所 医王山 遍照光院 大窪寺
いおうざん へんじょうこういん おおくぼじ

宗 派: 真言宗
本 尊: 薬師如来
開 基: 行基
創 建: 養老元年(717)
真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
住 所: 〒769-2306
香川県さぬき市多和兼割96
電 話: 0879-56-2278
駐車場: 普通車100台、マイクロバス20台
大型車10台
終日無料
宿 坊: なし

この記事を書いた人 Author Profile

渡部雅泰
渡部雅泰ライター
こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)

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四国88ヵ所 お遍路で訪ねたお寺

【徳島県】
1番 霊山寺 (りょうぜんじ)
2番 極楽寺 (ごくらくじ)
3番 金泉寺 (こんせんじ)
4番 大日寺 (だいにちじ)
5番 地蔵寺 (じぞうじ)
6番 安楽寺 (あんらくじ)
7番 十楽寺 (じゅうらくじ)
8番 熊谷寺 (くまたにじ)
9番 法輪寺 (ほうりんじ)
10番 切幡寺 (きりはたじ)
11番 藤井寺 (ふじいでら)
12番 焼山寺 (しょうさんじ)
13番 大日寺 (だいにちじ)
14番 常楽寺 (じょうらくじ)
15番 国分寺 (こくぶんじ)
16番 観音寺 (かんのんじ)
17番 井戸寺 いどじ)
18番 恩山寺 (おんざんじ)
19番 立江寺 (たつえじ)
20番 鶴林寺 (かくりんじ)
21番 太龍寺 (たいりゅうじ)
22番 平等寺 (びょうどうじ)
23番 薬王寺 (やくおうじ)

【高知県】
24番 最御崎寺 (ほつみさきじ)
25番 津照寺 (しんしょうじ)
26番 金頂剛寺 (こんごうちょうじ)
27番 神峯寺 (こうのみねじ)
28番 大日寺 (だいにちじ)
29番 番国分寺 (こくぶんじ)
30番 善楽寺 (ぜんらくじ)
31番 竹林寺 (ちくりんじ)
32番 禅師峰寺 (ぜんじぶじ)
33番 雪蹊寺 (せっけいじ)
34番 種間寺(たねまじ)
35番 清滝寺 (きよたきじ)
36番 青龍寺(せいりゅうじ)
37番 岩本寺(いわもとじ)
38番 金剛福寺(こんごうふくじ)
39番 延光寺(えんこうじ)

【愛媛県】
40番 観自在寺(かんじざいじ)
41番 龍光寺 (りゅうこうじ)
42番 仏木寺 (ぶつもくじ)
43番 明石寺 (めいせきじ)
44番 大寶寺 (だいほうじ)
45番 岩屋寺 (いわやじ)
46番 浄瑠璃寺 (じょうるりじ)
47番 八坂寺 (やさかじ)
48番 西林寺 (いさいりんじ)
49番 浄土寺 (じょうどじ)
50番 繁多寺 (はんたじ)
51番 石手寺 (いしてじ)
52番 太山寺 (たいさんじ)
53番 円明寺 (えんみょうじ)
54番 延命寺 (えんめいじ)
55番 南光坊 (なんこうぼう)
56番 泰山寺 (たいさんじ)
57番 栄福寺 (えいふくじ)
58番 仙遊寺 (せんゆうじ)
59番 国分寺 (こくぶんじ)
60番 横峰寺 (よこみねじ)
61番 香園寺 (こうおんじ)
62番 宝寿寺 (ほうじゅじ)
63番 吉祥寺 (きちじょうじ)
64番 前神寺 (まえがみじ)
65番 三角寺 (さんかくじ)

【香川県】
66番 雲辺寺 (うんぺんじ)
67番 大興寺 (だいこうじ)
68番 神恵院 (じんねいん)
69番 観音寺 (かんのんじ)
70番 本山寺 (もとやまじ)
71番 弥谷寺 (いやだにじ)
72番 曼荼羅寺 (まんだらじ)
73番 出釈迦寺 (しゅっしゃかじ)
74番 甲山寺 (こうざんじ)
75番 善通寺 (ぜんつうじ)
76番 金倉寺(こんぞうじ)
77番 道隆寺 (どうりゅうじ)
78番 郷照寺 (ごしょうじ)
79番 天皇寺(てんのうじ)
80番 国分寺 (こくぶんじ)
81番 白峯寺(しろみねじ)
82番 根香寺(ねごろじ)
83番 一宮寺 (いちのみやじ)
84番 屋島寺 (やしまじ)
85番 八栗寺 (やくりじ)
86番 志度寺 (しどじ)
87番 長尾寺 (ながおじ)
88番 大窪寺 (おおくぼじ)

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