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2.72016
四十四番札所 大寶寺(だいほうじ)お遍路の中間札所伊予と土佐を結ぶお寺 #44 daihoji

愛媛の久万高原長町にあるのが大宝寺、「東京ラブストーリー」から25年…現在のリカとカンチを描いた特別読切が話題に!など、ニュースになりましたが、カンチはここの久万中学校出身でありました。(^O^) あの落書きをした柱は、「久万高原ふるさと旅行村」に保存されています。
久万町の海抜は490m、大宝寺の門前町として開けた街で、土佐から伊予の松山へ向かう人は、大宝寺を訪ねられたことでしょう。お大師様様がこの地で「おくま」という娘さんに親切にされたことが街の名前久万町(合併前)の由来だそうです。「おくま饅頭」が有名です。
高市本舗 愛媛県上浮穴郡久万町574-4 (0892)21-0014
寺の創建は大宝元年701年といいますから、飛鳥時代と言うことになります。お寺の名前の由来は年号の大宝が由来とのことです。
百済の聖僧が、十一面観音像を奉持して来日し、この地に草庵を結んで安置したとのこと。その後、焼失しましたが、あの院政で有名な後白河上皇が、伽藍を建立し、妹宮を住職にしたという歴史があります。
ちょっと脱線しますが、大宝寺の創建時にだされた大宝律令で国司と郡司が置かれ、大化の改新で口分田を与えられた時代から、口分田がなくなり、三世一身法がでて、墾田永年私財法、と土地の持ち方が変わります。
荘園で不輸の権(ふゆのけん)で、お寺や豪族や貴族が税金を払わなくてもいいので、「寄進地系荘園」(きしんちけいしょうえん)が発達し、農民は貴族へ開墾した土地を渡した(寄進した方が)方が税金が安いので、国司という貴族は、不入の権も利用し(役人が行ってこれない)、日本国中の土地は貴族のモノともいわれた時代がおこりました。そして、土地の境目などの争いが絶えず、武士が登場、主従関係が生まれ、源氏も平氏も皇族でしたが、皇族が多すぎるため、臣籍降下で皇族でなくなり、源氏、平氏といった武士に変身したわけです。
公地公民で天皇は土地を持てないのですが、後白河上皇は上皇なのでOKで(^^;)、荘園などをたくさん持っていたそうで、当然お寺なども建立したのでしょうね。兵力も凄く、上皇の警護をする、北面武士(ほくめんのぶし)には平清盛、源義朝(頼朝の父)がいました。それが、院政などで内部争いがおこり、保元の乱に続き、平治の乱を収めたことで、武士の力はさらに大きくなるのです。最初は平家が台頭するが、源頼朝が鎌倉幕府へ、そのバックグラウンドにはつねに後白河上皇がいたのです。
さてさて、雪山を登り大宝寺へ
さすが、なんという古刹なお寺でしょう。なんとも言えない空気がございます。
樹齢何百年の杉の年輪の刻みや、緑の混ざり具合の中に、時の洗礼があります。
小さなお地蔵さんを見るたびに、幼くして子供を亡くした人がこの地に供養したのではと思い巡らせます。黄泉の国へ行けるようにと、赤い前掛けをかけて、人の営みの中で、子供への思いを感じます。
十一面観音像、無になろうとしているというか、すべて満たされたあとに来た無なのか。観音信仰というのは、先祖追善、現世利益の信仰とのことです。
建久三年(1192)後白河法皇の四十九日の法要を鎌倉の南御堂で頼朝が行った時に、武相の僧侶百名が招かれた。そのうちに杉本寺・岩殿寺・勝福寺・光明寺・慈光寺・浅草寺、いわゆるのちに坂東札所となった寺から合計二十一名が集まっている。あるいはこの時に観音系寺院による札所制定への協議がもたれたかも知れぬ。それに積極的に協力したのが杉本寺の浄台房・慈光寺の別当厳耀・弘明寺の僧長栄であったと推考されている。それも頼朝の意図を充分汲んでのことであったろう。
後白河上皇が、伽藍を建立したという歴史を鑑みても、ここに十一面観音像理由がなんとなく、うかがえるのが面白いところです。
45番 岩屋寺から44番 大寶寺までルート地図 車だと20分くらいですが・・歩くと(;゚ロ゚)
第44番札所 菅生山 大覚院 大寶寺
すごうざん だいかくいん だいほうじ
宗 派: 真言宗豊山派
本 尊: 十一面観世音菩薩
開 基: 明神右京・隼人
創 建: 大宝元年(701)
真 言: おん まか きゃろにきゃ そわか
住 所: 〒791-1205
愛媛県浮穴郡久万高原町菅生1173
電 話: 0892-21-0044
駐車場: 普通20台・マイクロバス5台・大型3台
午前7時〜午後5時・無料
宿 坊: あり(150人・要予約)
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- ライター
- こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)
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