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十五番札所 国分寺(こくぶんじ) 国家の安穏や五穀豊穣の基点 #15Kokubunji

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國分寺の歴史・由来

四国霊場には四県に国分寺があり、その最初の札所が「阿波國分寺」である。仏教に篤く帰依した聖武天皇(在位724〜49)は、天平13年に国家の安穏や五穀豊穣、政教一致、地方文化の向上などを祈って、勅命により全国68ヶ所に国分寺、国分尼寺を創建した。奈良・東大寺はその総国分寺ともいわれる。縁起によると、阿波國分寺には聖武天皇から釈迦如来の尊像と『大般若経』が納められ、本堂には光明皇后のご位牌厨子を奉祀されたと伝えられている。開基は行基菩薩で、自ら薬師如来を彫造し本尊としている。創建当初は奈良の法隆寺や薬師寺、興福寺と同じ南都の学派に属する法相宗であり、寺領は二町四方で、ここに金堂を中心に七重塔も建つ壮大な七堂伽藍が整っていた。この寺域からは塔の礎石などが発掘されており、徳島県の史跡に指定されている。

弘法大師が弘仁年間(810〜24)に四国霊場の開創のため巡教された際に、宗派を真言宗に改めている。その後、「天正の兵火」によって灰燼に帰しており、境内は相当に衰微していた様子が寂本著『四國禮霊場記』(元禄2年=1689)からも知ることができる。寛保元年(1741)に阿波藩郡奉行、速水角五郎によって伽藍が再建されていらい、現在の禅宗・曹洞宗寺院となっている。境内の遺跡から往時の栄華がしのばれる。

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聖徳太子がなくなり、蘇我氏の力が強まり、中大兄皇子(後の天智天皇)と中臣鎌足(後の藤原鎌足)が大化の改新(645年)をおこし、天皇中心の中央集権の国家をめざした。律令国家(律は刑法など、令は税金の制度)
1.公地公民(土地は天皇のもの)
2.国/郡の設置
3.班田収授法(戸籍で、米をおさめる)
4.租税制度

大仏発願の詔をだし、国分寺建立の詔を出したのは聖武天皇。

聖武天皇は家系図をみると、藤原不比等(藤原鎌足の子供)の娘(宮子)がお母さんで、妻も藤原不比等(藤原鎌足の子供)の娘の光明子という、藤原氏のコプラツイストで、藤原氏の夢を託された背景がわかる。逆にいえば、藤原氏は相当に天皇の権威を高めたかったのだろう、利用するいう意味も内在している。それは上記の4つの政策でもわかる。天平時代は重税や労働をかせられ、民は心底疲弊していた。そして災害や疫病が多発する暗黒の時代ともいえる。

743年大仏発願の詔が出された当時富は朝廷に吸い上げられていた。
聖武天皇「一握りの土を運ぶことでもいい東大寺大仏造りに参加してほしい」【仏教って何?その3】

東大寺は権力の象徴ともいえるが、現在の東大寺には、かつての権力の寺としての驕りが微塵もない(司馬遼太郎)という司馬先生の言葉にもあるように、二面性を備えているようだ。大仏発願の詔後、墾田永年私財法などが出されて、流れが変わったともいわれているが・・。

その聖武天皇を支えたのが、大仏建立に大役を果たした行基菩薩で、四国遍路でも数多くの寺院が行基菩薩によって開基されている。今回のお遍路でいえば、19番立江寺、18番恩山寺、16番観音寺、15番国分寺など聖武天皇-行基菩薩が縁起にある。行基は優婆塞(うばそく)をもち、橋や池をつくり公共事業をおこなっていた。歴史の真意はわかるばずもないが、仏教による国家鎮護の中にはとてつもない謎と権力の背後の力がぷんぷんする。ただ、よくよく調べてみると、大仏発願の詔が出された頃は不比等の4人の子供が天然痘で亡くなり、その藤原氏が一時的に勢力を弱めたときに、聖武天皇は行基菩薩の助けをかり、大仏、国分寺をつくり権力と戦ったのかも知れない。

あー歴史は深いが勉強する時間がほしい。本だけは買ってある(笑)

 

第15番札所 薬王山 金色院 國分寺
やくおうざん こんじきいん こくぶんじ

宗 派: 曹洞宗
本 尊: 薬師如来
開 基: 行基菩薩
創 建: 天平13年(741)
真 言: おん ころころ せんだり
まとうぎ そわか
住 所: 〒779-3126
徳島県徳島市国府町矢野718-1
電 話: 088-642-0525
駐車場: 普通10台・マイクロバス1台(特例)
大型車は入車不可で駐車禁止
午前7時〜午後5時・無料
宿 坊: なし

この記事を書いた人 Author Profile

渡部雅泰
渡部雅泰ライター
こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)

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四国88ヵ所 お遍路で訪ねたお寺

【徳島県】
1番 霊山寺 (りょうぜんじ)
2番 極楽寺 (ごくらくじ)
3番 金泉寺 (こんせんじ)
4番 大日寺 (だいにちじ)
5番 地蔵寺 (じぞうじ)
6番 安楽寺 (あんらくじ)
7番 十楽寺 (じゅうらくじ)
8番 熊谷寺 (くまたにじ)
9番 法輪寺 (ほうりんじ)
10番 切幡寺 (きりはたじ)
11番 藤井寺 (ふじいでら)
12番 焼山寺 (しょうさんじ)
13番 大日寺 (だいにちじ)
14番 常楽寺 (じょうらくじ)
15番 国分寺 (こくぶんじ)
16番 観音寺 (かんのんじ)
17番 井戸寺 いどじ)
18番 恩山寺 (おんざんじ)
19番 立江寺 (たつえじ)
20番 鶴林寺 (かくりんじ)
21番 太龍寺 (たいりゅうじ)
22番 平等寺 (びょうどうじ)
23番 薬王寺 (やくおうじ)

【高知県】
24番 最御崎寺 (ほつみさきじ)
25番 津照寺 (しんしょうじ)
26番 金頂剛寺 (こんごうちょうじ)
27番 神峯寺 (こうのみねじ)
28番 大日寺 (だいにちじ)
29番 番国分寺 (こくぶんじ)
30番 善楽寺 (ぜんらくじ)
31番 竹林寺 (ちくりんじ)
32番 禅師峰寺 (ぜんじぶじ)
33番 雪蹊寺 (せっけいじ)
34番 種間寺(たねまじ)
35番 清滝寺 (きよたきじ)
36番 青龍寺(せいりゅうじ)
37番 岩本寺(いわもとじ)
38番 金剛福寺(こんごうふくじ)
39番 延光寺(えんこうじ)

【愛媛県】
40番 観自在寺(かんじざいじ)
41番 龍光寺 (りゅうこうじ)
42番 仏木寺 (ぶつもくじ)
43番 明石寺 (めいせきじ)
44番 大寶寺 (だいほうじ)
45番 岩屋寺 (いわやじ)
46番 浄瑠璃寺 (じょうるりじ)
47番 八坂寺 (やさかじ)
48番 西林寺 (いさいりんじ)
49番 浄土寺 (じょうどじ)
50番 繁多寺 (はんたじ)
51番 石手寺 (いしてじ)
52番 太山寺 (たいさんじ)
53番 円明寺 (えんみょうじ)
54番 延命寺 (えんめいじ)
55番 南光坊 (なんこうぼう)
56番 泰山寺 (たいさんじ)
57番 栄福寺 (えいふくじ)
58番 仙遊寺 (せんゆうじ)
59番 国分寺 (こくぶんじ)
60番 横峰寺 (よこみねじ)
61番 香園寺 (こうおんじ)
62番 宝寿寺 (ほうじゅじ)
63番 吉祥寺 (きちじょうじ)
64番 前神寺 (まえがみじ)
65番 三角寺 (さんかくじ)

【香川県】
66番 雲辺寺 (うんぺんじ)
67番 大興寺 (だいこうじ)
68番 神恵院 (じんねいん)
69番 観音寺 (かんのんじ)
70番 本山寺 (もとやまじ)
71番 弥谷寺 (いやだにじ)
72番 曼荼羅寺 (まんだらじ)
73番 出釈迦寺 (しゅっしゃかじ)
74番 甲山寺 (こうざんじ)
75番 善通寺 (ぜんつうじ)
76番 金倉寺(こんぞうじ)
77番 道隆寺 (どうりゅうじ)
78番 郷照寺 (ごしょうじ)
79番 天皇寺(てんのうじ)
80番 国分寺 (こくぶんじ)
81番 白峯寺(しろみねじ)
82番 根香寺(ねごろじ)
83番 一宮寺 (いちのみやじ)
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