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7.22016
六番札所 安楽寺(あんらくじ) 弘法大師によって温泉湯治の利益が伝えられた旧跡 #6Anrakuji

四国遍路でお寺に温泉があるという珍しいお寺が安楽寺。温泉湯治の御利益を伝えたお寺なんだろうね。平安時代に温泉なんかあるとたまりませんね(笑)。人生はささやかなものであるけれど、毎日温泉に入れたら幸せだと思う。
エジプトはピラミッドで王の権威を見せつけた、ローマの皇帝はローマの街に巨大なカラカラ浴場をつくった。ローマ皇帝も日々の人民の気を紛らわすのに浴場をつくるとは頭のキレがちがう。(笑)皇帝も入浴し裸の付き合いという社交場の文化なんですかね。しかしですよ、このカラカラ浴場というのも宗教の支配(肌を見せてはダメ)により衰退したとのこと。歴史は深いです。お大師様も、たくさんの温泉を発見されています。
司馬遼太郎先生の「空海の風景」を読んでいて、空海のルーツ、父方の佐伯氏は常陸の国で、砂鉄や水銀の採鉱にたずさわっていたとのこと。ひょっとしたら温泉を見つけたり、治水灌漑などの技術のポテンシャルもその辺りがルーツとも考えてみると、うなづけますね。
そして母方は、阿刀(アト)氏(渡来人系)。産鉄に携わっていたとも・・・。この強力なバックボーンが、遣唐使で中国でたくさんの書物や、技術書を購入する資金源になったとも言われています。
空海は、母方の叔父の阿刀大足はたいそうな血統です。桓武天皇の第三皇子である伊予親王の侍講が、空海に漢籍を教えてくれた母方の叔父の阿刀大足です。(※あの、奈良の大仏の時に登場した、玄昉も阿刀氏の出です。)
空海は長岡での生活に入った。阿刀大足について論語、孝経および史伝などの儒書ならびに詩文を学び、三年の歳月をすごした。かれの後年の教養にとってこの期間は小さくない意味をもっていたであろう。「筆ヲ下セバ文ヲ成ス」(『続日本後紀』)といわれた空海の青年期の教養と文章力の基礎はほぼこの受験準備中につくられたとみてよく、そのことはかれの精励によるものとはいえ、たかが大学の科試の準備という初等課程の修学のために阿刀大足のような碩学からほとんど付ききりの陶冶をうけたということは異常なほどの幸運である。空海の才華はひらくべくしてひらいたというより、それに豊饒な土をあたえたのはこの期間の叔父であったにちがいなく、とくに空海がその生涯において阿刀氏以外に一人の師に入念に就いたということがなさそうなことを思えば、そういう感がふかい 「空海の風景」より
『四國禮霊場記』(元禄2年=1689)には「医王の神化を人みな仰ぎ寺院繁栄に至り、十二宇門甍を接し鈴鐘のひびき絶える時なし…」と記され、その昔は阿讃の山麓から現在地まで寺域が点在し、戦国時代の兵火や明治維新の神仏分離令を経て現在に至っている。
ここ引野村には古くから温泉があり、安楽寺は弘法大師によって温泉湯治の利益が伝えられた旧跡で、山号は温泉山とされた。(現在も大師堂前から温泉が湧き出ている。)桃山時代に阿波藩祖・蜂須賀家政公が「駅路寺」と定め、四国遍路や旅人の宿泊、茶湯接待の施設を置いた。その記録である「駅路寺文書」(慶長3年=1598)が今も残されており、宿坊はいらい400年の歴史を有する。藩政時代は山門に蜂須賀家の家紋が入った雪洞が許され、寺域は殺生禁断とされた。茅葺き屋根の方丈は、250年前に蜂須賀公により寄進され、質素ながら堂々とした木造建築である。愛知県尾西市の水谷しづさん(当時49歳)は、脊髄カリエスの難病にかかり床についていた。当寺の住職は、夫の繁治氏に病床で苦しむしづさんを伴い、四国遍路をすすめた。二人は遍路の旅を決行した。ところが不思議にも巡礼の途中に、しづさんの難病が快癒した。現在の本尊・薬師如来像は、その報恩のために奉納されたもので、43センチほどの古来の本尊は胎内仏として納められている。昭和37年のことである。安楽寺には、運慶・快慶の流れをくむ慶派の京都大仏師・松本明慶師(1945〜)が無名時代から彫り続けた仏像三十五体が各御堂に祀られている。大師堂の弘法大師像はじめ、愛染明王、不動明王などである。また、性霊殿には胎蔵曼荼羅・金剛界曼荼羅がかけられ、石の壁には「五筆和尚」と称された弘法大師のさまざまな筆法の書が刻まれている。
第6番札所 温泉山 瑠璃光院 安楽寺
おんせんざん るりこういん あんらくじ
宗 派: 高野山真言宗
本 尊: 薬師如来(伝弘法大師作)
開 基: 弘法大師
創 建: 弘仁6年(815)
真 言: おん ころころ せんだり
まとうぎ そわか
住 所: 〒771-1311 徳島県板野郡上板町引野8
電 話: 088-694-2046
駐車場: 普通80台・大型バス10台・無料
宿 坊: あり(300人・温泉あり)
URL http://www.shikoku6.or.jp/
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- ライター
- こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)
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