ブログ

七十五番札所 善通寺 (ぜんつうじ) 恵果和尚の住した長安・青龍寺を模して建立したお寺 #75 Zentsuji

唐より帰朝されたお大師さまが、御父の寄進した四町四方の地に、師である恵果和尚の住した長安・青龍寺を模して建立したお寺

お大師様の生誕の地は、善通寺の境内。
善通寺には五岳山という山号があって、この善通寺は当時は海がこの近くまで来ていたという。遣唐使の船がとまっていたかもしれない、空海の名字である長者の佐伯氏は海上交通の利便も味方にして、商社のように活動を行っていたのではないだろうか。空海にとっては、実はこの場所にいたことが運命なのかもしれない。そして、当時の唐のスケールを考えれば、この四国のどどど田舎で、大陸の文明を感じていたと考えるのもロマンがありそうだ。

また、空海の母系の阿刀家の叔父にあたる、阿刀大足が学問の師匠で都での官職を持った学者であったこと。この地の出身であった好運が、中央の大学に進むことを有利にした事は間違いなさそうだ。この辺りのことが、「空海の風景」に書かれているのですが・・長くなるので省略します。

善通寺の本堂の薬師如来像は、背筋が凍るくらいの静粛さと、闇の中でも輝くような黄金の光の束を発していて、震えるようなエナジーがございました。残念ながら撮影不可なので、現地でご確認くださいませ。

2016-11-08-14-17-50-1_tonemapped

2016-11-08-14-17-58_tonemapped

2016-11-08-14-18-52_tonemapped

2016-11-08-14-19-00_tonemapped

2016-11-08-14-19-10-1_tonemapped

2016-11-08-14-21-08_tonemapped

2016-11-08-14-22-04-hdr_tonemapped

2016-11-08-14-23-37_tonemapped

2016-11-08-14-26-25-1_tonemapped

2016-11-08-14-26-55_tonemapped

2016-11-08-14-28-01_tonemapped

五岳山 善通寺の創建は、『多度郡屏風浦善通寺之記』(江戸時代中期成立)によると、唐より帰朝されたお大師さまが、御父の寄進した四町四方の地に、師である恵果和尚の住した長安・青龍寺を模して建立したお寺で、大同2年(807)臘月(陰暦12月)朔日に斧始めを行い、弘仁4年(813)6月15日に落慶し、父の諱「善通(よしみち)」をとって「善通寺」と号したと記されています。

鎌倉時代に佐伯家の邸宅跡に「誕生院」が建立され、江戸時代までは、善通寺と誕生院のそれぞれに住職をおく別々のお寺でしたが、明治時代に至り善通寺として一つのお寺となりました。現在は真言宗善通寺派の総本山であり、また四国八十八ヶ所霊場の75番札所でもあります。

現在の善通寺は「屏風浦五岳山誕生院善通寺」と号し、山号の「五岳山」は、寺の西にそびえる香色山・筆山・我拝師山・中山・火上山の五岳に由来し、その山々があたかも屏風のように連なることから、当地はかつて「屏風浦」とも称されました。そして、「誕生院」の院号は、お大師さま御誕生の地であることを示しています。御誕生所である善通寺は、京都の東寺、和歌山の高野山とならぶ弘法大師三大霊跡のひとつとして、古くから篤い信仰をあつめてまいりました。

総面積約45,000平方メートルに及ぶ広大な境内は、「伽藍」と称される東院、「誕生院」と称される西院の東西二院に分かれています。金堂、五重塔などが建ち並ぶ「伽藍」は、創建時以来の寺域であり、御影堂を中心とする「誕生院」は、お大師さまが御誕生された佐伯家の邸宅跡にあたり、ともに弘法大師御誕生所としての由縁を今に伝えています。

金堂
善通寺の本堂。創建当時の金堂は、永禄元年(1558)、三好実休の兵火により焼失し、現在の建物は、元禄年間(1688−1704)に再建されたものです。本尊・薬師如来坐像は、像高3メートルにも及ぶ丈六の巨像で、元禄13年(1700)、御室大仏師運長法橋によって造像されました。

五重塔
総高45メートルに及ぶ総欅造の大塔で、善通寺のシンボルとして、広く人々に親しまれています。創建以来、大風や火災により、いくたびかの倒壊・焼失を経ましたが、そのたびに再建されました。現在の塔は、弘化2年(1845)、仁孝天皇の御綸旨により再建が始められ、明治35年(1902)に完成したものです。

御影堂
弘法大師が御誕生された佐伯家の邸宅地に建ち、奥殿には大師自作と伝わる本尊・瞬目大師像が秘蔵されています。現在の建物は。天保2年(1831)に建立され、昭和11年に修築されたものです。また、御影堂地下には、約100メートルの「戒壇めぐり」があり、暗闇の中、法号を唱えながら大師と結縁する道場となっています。

第75番札所 五岳山 誕生院 善通寺
ごがくざん たんじょういん ぜんつうじ

宗 派: 真言宗善通寺派
本 尊: 薬師如来
開 基: 弘法大師
創 建: 大同2年(807)
真 言: おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
住 所: 〒765-0003
香川県善通寺市善通寺町3-3-1
電 話: 0877-62-0111
駐車場: 普通車200台・200円
大型車20台・500円
マイクロバス30台・300円
宿 坊: あり(250人収容)
URL: http://www.zentsuji.com/

この記事を書いた人 Author Profile

渡部雅泰
渡部雅泰ライター
こんにちは、四国愛媛在住でITの会社を生業としています。元旅行マンなので世界遺産に登録候補になっている四国八十八カ所を廻ることとしました。いつか時間ができたら歩き遍路も挑戦予定ですが、今回はバスツアーで廻ります。笑顔をお届けできたらうれしいです。(^o^)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


AMAZON ベストセラー商品

★★★輪袈裟 わげさ 雲立涌菊紋




四国88ヵ所 お遍路で訪ねたお寺

【徳島県】
1番 霊山寺 (りょうぜんじ)
2番 極楽寺 (ごくらくじ)
3番 金泉寺 (こんせんじ)
4番 大日寺 (だいにちじ)
5番 地蔵寺 (じぞうじ)
6番 安楽寺 (あんらくじ)
7番 十楽寺 (じゅうらくじ)
8番 熊谷寺 (くまたにじ)
9番 法輪寺 (ほうりんじ)
10番 切幡寺 (きりはたじ)
11番 藤井寺 (ふじいでら)
12番 焼山寺 (しょうさんじ)
13番 大日寺 (だいにちじ)
14番 常楽寺 (じょうらくじ)
15番 国分寺 (こくぶんじ)
16番 観音寺 (かんのんじ)
17番 井戸寺 いどじ)
18番 恩山寺 (おんざんじ)
19番 立江寺 (たつえじ)
20番 鶴林寺 (かくりんじ)
21番 太龍寺 (たいりゅうじ)
22番 平等寺 (びょうどうじ)
23番 薬王寺 (やくおうじ)

【高知県】
24番 最御崎寺 (ほつみさきじ)
25番 津照寺 (しんしょうじ)
26番 金頂剛寺 (こんごうちょうじ)
27番 神峯寺 (こうのみねじ)
28番 大日寺 (だいにちじ)
29番 番国分寺 (こくぶんじ)
30番 善楽寺 (ぜんらくじ)
31番 竹林寺 (ちくりんじ)
32番 禅師峰寺 (ぜんじぶじ)
33番 雪蹊寺 (せっけいじ)
34番 種間寺(たねまじ)
35番 清滝寺 (きよたきじ)
36番 青龍寺(せいりゅうじ)
37番 岩本寺(いわもとじ)
38番 金剛福寺(こんごうふくじ)
39番 延光寺(えんこうじ)

【愛媛県】
40番 観自在寺(かんじざいじ)
41番 龍光寺 (りゅうこうじ)
42番 仏木寺 (ぶつもくじ)
43番 明石寺 (めいせきじ)
44番 大寶寺 (だいほうじ)
45番 岩屋寺 (いわやじ)
46番 浄瑠璃寺 (じょうるりじ)
47番 八坂寺 (やさかじ)
48番 西林寺 (いさいりんじ)
49番 浄土寺 (じょうどじ)
50番 繁多寺 (はんたじ)
51番 石手寺 (いしてじ)
52番 太山寺 (たいさんじ)
53番 円明寺 (えんみょうじ)
54番 延命寺 (えんめいじ)
55番 南光坊 (なんこうぼう)
56番 泰山寺 (たいさんじ)
57番 栄福寺 (えいふくじ)
58番 仙遊寺 (せんゆうじ)
59番 国分寺 (こくぶんじ)
60番 横峰寺 (よこみねじ)
61番 香園寺 (こうおんじ)
62番 宝寿寺 (ほうじゅじ)
63番 吉祥寺 (きちじょうじ)
64番 前神寺 (まえがみじ)
65番 三角寺 (さんかくじ)

【香川県】
66番 雲辺寺 (うんぺんじ)
67番 大興寺 (だいこうじ)
68番 神恵院 (じんねいん)
69番 観音寺 (かんのんじ)
70番 本山寺 (もとやまじ)
71番 弥谷寺 (いやだにじ)
72番 曼荼羅寺 (まんだらじ)
73番 出釈迦寺 (しゅっしゃかじ)
74番 甲山寺 (こうざんじ)
75番 善通寺 (ぜんつうじ)
76番 金倉寺(こんぞうじ)
77番 道隆寺 (どうりゅうじ)
78番 郷照寺 (ごしょうじ)
79番 天皇寺(てんのうじ)
80番 国分寺 (こくぶんじ)
81番 白峯寺(しろみねじ)
82番 根香寺(ねごろじ)
83番 一宮寺 (いちのみやじ)
84番 屋島寺 (やしまじ)
85番 八栗寺 (やくりじ)
86番 志度寺 (しどじ)
87番 長尾寺 (ながおじ)
88番 大窪寺 (おおくぼじ)

Twitter

ページ上部へ戻る